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モンステラの育て方、切れ込みのある葉に育てる日当たりと気根・支柱の扱い

明るいリビングに置かれた、切れ込みのある大きな葉のモンステラの鉢植え

茎の途中から、茶色いひものようなものが斜めに伸びて、床のほうへ向かっていることがあります。

モンステラを育てていると、ある日こうした気根(きこん)に気づいて、切っていいのか、病気なのかと戸惑うことがあります。

気根は異常ではなく、モンステラが本来「木に寄りかかって上へ登っていく植物」であることのしるしです。

葉に入る切れ込みも、支柱が必要になる理由も、この性質から説明できます。

実際の手入れで効いてくるのは十分な光と、茎を上へ登らせる支柱の2つで、どちらかが欠けると、新しい葉は小さく切れ込みの少ないものになりがちです。

目次

モンステラは「木に登る」植物

モンステラは中南米の熱帯雨林に自生するサトイモ科の植物です。

自生地では、地面から芽を出したあと、まわりの大きな木の幹に気根を張りつけながら、光の届く上のほうへと登っていきます。

室内で育てるときも、この「登りながら大きくなる」性質を知っておくと、手入れの意味がわかります。

気根は体を支え、水分を取るための根

気根は、幹や木に張りついて体を支えたり、空気中や地面から水分を取り込んだりするための根です。

モンステラの太い茎の節から、茶色いひも状の気根が下へ伸びている様子

室内では張りつく相手がないので、ひものように宙に伸びたり、床に向かって垂れ下がったりします。

生えてきても株が弱っているわけではないので、まずは慌てなくて大丈夫です。

切れ込みと穴は「大人の葉」のしるし

モンステラの特徴である葉の切れ込みや穴は、株がある程度成長してから出てくる葉に入ります。

切れ込みと穴のある大きな葉と、切れ込みのない小さな若い葉が同じ株についたモンステラ

小さな苗のうちは、切れ込みのないハート形の葉が出るのが普通です。

切れ込みができる理由は、下の葉まで光を届けるため、強い風を逃がすためなど諸説あります。

いずれにしても、光が十分で、株が充実しているほど切れ込みの多い葉が出ると考えておくと、置き場所の判断に役立ちます。

寒さとペットへの注意

モンステラは熱帯の植物なので、冬の最低温度は10℃前後を保てるのが理想です。

モンステラの葉や茎には、シュウ酸カルシウムという成分が含まれているとされ、海外の植物一覧では犬や猫への注意が挙げられています。
ペットや小さな子どもがかじらない位置に置き、口にして様子がおかしいときは、自己判断せずに動物病院や医療機関に相談してください。
剪定などで切り口から出る汁が肌につくと、かぶれることがあるため、作業のときは手袋をつけます。

品種による違い

「モンステラ」として売られている株には、いくつかの品種や近い仲間が含まれています。

大きな切れ込みの葉の株と、支柱に登らせた小ぶりで穴の多い葉の株の2種類のモンステラの鉢

育て方の基本は共通ですが、大きさや育ち方が違うので、買う前やラベルを確かめるときの目安にしてください。

流通名葉の大きさ切れ込み・穴育ち方向いている置き方
デリシオーサ大きい(成長すると50cmを超えることも)深い切れ込みと穴茎が太く、どっしり横にも広がる床置きの大型、支柱で上へ
ボルシギアナデリシオーサよりやや小さめ切れ込みが入る茎が長めに伸び、成長が早い中型、支柱で縦に仕立てる
アダンソニー(マドカズラ)小さめ切れ込みではなく、葉の中に穴が開く細いつるで伸びる吊り鉢や棚、細い支柱
ヒメモンステラ小さめ細かい切れ込みつるが細く、上へよく伸びる卓上〜中型、支柱
斑入りの品種品種による品種による緑の品種より成長がゆっくり明るい場所、斑の部分の葉焼けに注意

ヒメモンステラは名前に「モンステラ」とつきますが、植物の分類では別の属(ラフィドフォラ属)に入る植物です。

とはいえ、置き場所や水やりの考え方はほぼ同じで構いません。

斑入りの品種は、白い部分が光合成をしにくいため、緑の品種より明るい場所を好む一方、白い部分は強い光で茶色く焼けやすい性質があります。

切れ込みのある葉を出すための日当たり

モンステラは日陰にもある程度耐えますが、暗い場所では新しい葉が小さくなり、切れ込みも減っていきます。

きれいな葉を出したいなら、置き場所の明るさが最初の条件です。

切れ込みが入らないときに考えたいこと

新しい葉に切れ込みが入らないときは、次の3つを順に確かめます。

  1. 株がまだ若くないか: 苗から育てている小さな株は、切れ込みのない葉が出るのが普通で、成長を待つしかありません
  2. 光が足りているか: 窓から遠い場所や、北向きの暗い部屋では、葉が小さく、切れ込みが少なくなりがちです
  3. 上に登れているか: 支柱がなく茎が横に倒れて伸びていると、株が充実しにくく、葉が大きくなりにくいと言われています

すでに開いた葉に、あとから切れ込みが入ることはありません。
置き場所や支柱を見直した効果がわかるのは、これから出てくる新しい葉です。

窓から1〜2mのレースカーテン越しが目安

室内では、レースカーテン越しにやわらかい光が入る窓から1〜2mほどの位置が、モンステラの育ちやすい場所です。

レースカーテンの窓から離れた位置に置かれたモンステラの大鉢

暗い部屋の奥に置くと、茎が光の方向へ長く伸び、葉と葉の間が間延びした姿になります。

大きく育ったモンステラを床置きにするときの配置は、リビングと寝室に置く観葉植物の「主役の1鉢」の置き方と考え方が共通しています。

直射日光は葉焼けのもと

光は多いほうがよいとはいえ、夏の直射日光や西日がガラス越しに長時間当たると、大きな葉が焼けて茶色くなります。

葉焼けした部分は元に戻らないので、日差しの強い季節はレースカーテンで光をやわらげます。

葉が大きい分、エアコンの風が当たると乾燥で葉の縁が傷みやすいことも覚えておきたい点です。

気根の扱い方

気根は、株の状態や見た目の好みに合わせて扱いを選べます。

どれを選んでも株の健康に大きな差は出ないので、置き場所の都合で決めて構いません。

切っても大丈夫

宙に伸びた気根が邪魔な場合は、根元から切っても株は弱りません。

切るときは、清潔なハサミを使い、暖かい時期に行います。

ただ、気根は株を支え、水分を補う役割があるので、すべてを一度に切るのではなく、邪魔なものだけを選んで切るほうが株への負担は小さくなります。

土に誘導する、支柱に沿わせる

長く伸びた気根は、鉢の土の中に先を差し込んでおくと、やがて土の中で根を張り、株を支える力になります。

支柱を立てている場合は、気根を支柱に沿わせてひもで軽く留めておくと、支柱に張りついて茎がしっかり安定します。

床に向かって伸びた気根が鉢の外の床に届くと、床が湿ったり汚れたりするので、そうなる前に土か支柱へ導くか、切っておきます。

支柱の立て方

茎が倒れて横に広がってきたら、支柱を立てて上へ導くタイミングです。

モスポールの支柱に沿って茎が立ち上がっているモンステラの鉢

支柱を立てると、床の占有面積が小さくなるだけでなく、株が上へ登れるようになり、葉が大きく育ちやすい状態に近づけます。

支柱は、ヤシの繊維を巻いたモスポール(ココナッツファイバー製の支柱)や、昔ながらのヘゴ支柱が、気根が張りつきやすく向いています。

植え替えと同じ5〜7月ごろに一緒に行うと、根を傷めにくく作業も一度で済みます。

STEP1
支柱を選ぶ

長さは、鉢の深さに、今の株の高さの1.5倍ほどを足したくらいが目安です。

茎の太さに対して細すぎる支柱は、株が大きくなったときに支えきれなくなります。

STEP2
茎の背中側に挿す

茎が倒れている側の反対、つまり茎の「背中」側の土に、鉢の底近くまで支柱をまっすぐ挿します。

太い根に当たったら無理に押し込まず、少し位置をずらします。

STEP3
茎をひもで留める

麻ひもなどを使い、支柱と茎の間で8の字を描くようにして、ゆるめに結びます。

きつく縛ると、茎が太ったときに食い込むので、指1本分くらいのゆとりを残します。

STEP4
気根を支柱に沿わせる

近くにある気根を支柱に沿わせて、軽く留めます。

モスポールの場合は、ときどき霧吹きで湿らせておくと、気根が張りつきやすいとされています。

STEP5
伸びたら結び直す

新しい茎が伸びてきたら、数か月に1回、上のほうに結び目を追加します。

支柱の高さを超えたら、より長い支柱に替えるか、剪定で高さを調整します。

水やりと冬越し

モンステラは葉が大きく、春から秋はたくさん水を使いますが、冬は吸う量がぐっと減ります。

季節で水やりを切り替えることが、根腐れを防ぐ近道です。

春〜秋は竹串で中の乾きを確かめてから

葉の大きいモンステラは、5〜9月になると葉から逃げていく水の量も増え、思った以上に早く土が乾きます。

ただし大きな鉢は表面と底の乾き方の差が大きいので、竹串を鉢の深くまで挿して、中まで乾いたのを確かめてから、鉢底から水が流れ出るまで与えます。

10号前後の大鉢は受け皿ごと持ち上げるのが大変なので、たまった水はスポイトや吸水スポンジで吸い取っておきます。

葉の先の水滴は「水が多め」のサイン

朝、モンステラの葉の先や縁に、水滴がついていることがあります。

モンステラの葉の先端に水滴がたまっている様子

これは、根から吸い上げた水分のうち余った分を葉から出す、溢液(いつえき)と呼ばれる現象です。

病気ではありませんが、水滴がたびたび見られるなら、土が湿りすぎている可能性があるので、次の水やりを少し遅らせて様子を見ます。

冬は控えめに、10℃を下回らない場所で

モンステラは、冬になると新しい葉がほとんど開かなくなります。

新芽の動きが止まったら水やりの間隔を広げ、竹串で鉢の中まで乾いたのを確かめてから、さらに2〜3日おいて与えます。

冬の昼間、窓から離れた部屋の中ほどに置かれたモンステラの鉢

置き場所は、明け方でも10℃前後を保てる部屋の明るい位置にします。

大きな葉が冷えた窓ガラスに触れたままだと、その部分から傷みやすいので、冬は葉先がガラスから離れる位置まで鉢を引いておきます。

大きな葉にはほこりがたまりやすく、ほこりは光を遮るので、季節を問わず、ときどき濡らした布で葉の表面をやさしく拭くと、葉のつやも保てます。

肥料と植え替えのタイミング

肥料が生きてくるのは、新しい葉が次々に開く5〜9月です。

大きな葉を育てたいなら、この時期にラベルに書かれた間隔を守って続けるのが基本です。

新しい葉が開かない冬や、根を切った植え替えの直後は、与えても吸いきれず根の負担になりやすいので休みます。

植え替えは5〜7月ごろ、鉢底から根が出てきたり、水が土にしみ込みにくくなったりしたら、1〜2年に1回を目安にひとまわり大きな鉢へ移します。

モンステラは成長が早い分、鉢の中が根でいっぱいになるのも早めです。

同じように大きく育つ観葉植物でも、日当たりへの求め方は種類で違い、ガジュマルはモンステラ以上に光を好みます。

その違いは、ガジュマルの育て方の置き場所の項目で比べられます。

天井が近づいてきたら、伸ばすか切るかを決める

支柱に登らせたモンステラは、暖かい時期に新しい葉を開くたびに背丈が伸びていきます。

葉先と天井のあいだに30cmほどの余白がなくなってきたら、この先の育て方を決める時期です。

まだ壁際や天井に余裕があるなら、より長い支柱に替えて、上へ伸ばし続ける選び方があります。

部屋に収まらなくなったときは、暖かい5〜7月に、伸びた茎を切って高さを戻すのが現実的です。

茎のどこで切るか、切った茎を水に挿して増やす手順は、モンステラの剪定で部位ごとに分けて説明しています。

どちらにするか迷ったら、今の置き場所で新しい葉が大きくなっているかどうかで決めます。

光が足りずに葉が小さくなり、間延びしてきた株は、支柱を継ぎ足すより、切り戻して明るい場所で仕立て直すほうが締まった姿に戻しやすくなります。

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