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パキラの育て方、根腐れさせない水やりと置き場所・冬越しの基本

明るいリビングに置かれた、手のひら状に小葉が広がるパキラの鉢植え

太い幹を指で軽く押したら、少しへこんだ。

葉はまだ緑色なのに、幹の根元だけがやわらかくなっている。

パキラで多いのは、こうした水のあげすぎによる根腐れです。

パキラは幹に水分をため込める木なので、ほかの観葉植物と同じ感覚で水をあげ続けると、土がいつも湿った状態になりやすいのです。

しかも根腐れの初めは葉に変化が出にくく、「元気がないから水を足す」をくり返すうちに傷みが進みます。

パキラの育て方を一言で言うなら、水は控えめ、光は多めです。

水やりの回数も、冬の置き場所も、この木が幹に水をためるという一点から逆算すると決めやすくなります。

目次

パキラを育てる前に知っておきたい3つの性質

パキラは中南米の熱帯に自生する木で、日本の園芸店で「パキラ」として売られているものの多くは、パキラ・グラブラという種類だとされています。

手のひらのように5〜7枚の小さな葉が広がる姿が特徴で、育てやすい観葉植物の代表として紹介されることの多い木です。

ただ、育てやすいと言われる理由と、失敗しやすい理由は、同じ性質から来ています。

幹に水をためるので、乾きに強く過湿に弱い

パキラの幹は、乾燥する時期に備えて水分を蓄える役割を持っています。

根元がとっくりのようにふくらんだパキラの幹のクローズアップ

そのため、数日水やりを忘れた程度では簡単には弱りません。

反対に、土が乾かないうちに水を足し続けると、根が呼吸できなくなり、根腐れにつながります。

「乾かしすぎ」より「湿らせすぎ」のほうが取り返しがつきにくいと覚えておけば、水やりで迷ったときの判断の軸になります。

寒さには弱い熱帯の木

パキラは熱帯の植物なので、寒さは得意ではありません。

冬の最低温度は10℃前後を保てると理想的で、5℃を下回る場所に長く置くと葉を落としたり、幹が傷んだりすることがあります。

日本の冬をどう越すかが、2年目以降も育て続けられるかの分かれ目になります。

売り場で見かける3つの形

パキラには、見た目の違う売られ方がいくつかあります。

根元がふくらんだ株、まっすぐな幹の株、幹を編み込んだ株の3種類のパキラの鉢を棚に並べた様子
  • 実生(みしょう): 種から育てた株で、根元がとっくりのようにふくらんでいる
  • 挿し木: 枝を挿して増やした株で、幹がまっすぐで根元のふくらみがない
  • 編み込み: 細い挿し木の幹を数本、三つ編みのように編んで仕立てた株

どの形でも育て方の基本は同じですが、編み込みは幹が細く、1本ずつの根が少ないため、水のあげすぎには特に気をつけたい形です。

編み込みの株は、何本かのうち1本だけが枯れて茶色くなることもあります。

置き場所は「レースカーテン越しの窓辺」が基本

パキラは日陰にもある程度耐えますが、本来は明るい場所を好む木です。

室内でいちばん育ちやすいのは、レースカーテン越しにやわらかい光が入る窓辺です。

明るい窓辺から1〜2m以内が目安

南向きや東向きの窓から、1〜2mほどの範囲に置くと、葉の色が濃く、間の詰まった形に育ちます。

レースカーテンの窓から1.5mほど離れた床に置かれたパキラの鉢

窓の向きと明るさの関係から置き場所を決めたいときは、日当たり別の置き場所の診断で自分の部屋がどの区分に当たるか確かめられます。

リビングに大きめの株を置く場合の配置の考え方は、リビングと寝室に置く観葉植物が参考になります。

暗い場所では「ひょろ長く」なる

光が足りない場所でもすぐには枯れませんが、新しい枝が光を探して細長く伸び、葉と葉の間が広がった姿になります。

これを徒長(とちょう)と呼びます。

徒長した枝は元の太さには戻らないため、形を整えるには剪定が必要になります。

パキラの剪定の時期や切る位置は、別の記事で扱う予定です。

避けたい3つの場所

明るさのほかに、パキラが傷みやすい場所もあります。

エアコンや暖房の風が直接当たる位置(葉が乾いて縁から茶色くなる)
夏の西日や直射日光が、ガラス越しに長時間当たる窓辺(葉焼けの原因になる)
冬の夜に冷え込む、窓ガラスのすぐそば(夜だけ部屋の中ほどへ移す)

特に夏の直射日光は要注意で、それまで室内にあった株を急に屋外の日なたへ出すと、数日で葉が白っぽく焼けることがあります。

屋外に出すなら、明るい日陰から始めて1〜2週間かけて慣らしていきます。

水やりは「土が乾いてから、たっぷり」

パキラの水やりで大事なのは、回数を決めることではなく、土が乾いたのを確かめてからあげることです。

部屋の温度や日当たり、鉢の大きさで乾き方は大きく変わるため、「週に何回」という決め方はかえって失敗のもとになります。

生育期は乾いたらたっぷり、受け皿の水は捨てる

枝先から手のひら形の新しい葉が次々に開く5〜9月ごろは、パキラが幹の水だけに頼らず、根からよく水を吸う時期です。

竹串で鉢の中まで乾いたのを確かめたら、株元に水をゆっくり注ぎ、底穴から水がしみ出てくるところまで続けます。

少しずつ何度もあげるより、たっぷりあげて、次は乾くまで待つほうが、根に新しい空気が入れ替わります。

底穴から出た水は、注ぎ終えて数分したら受け皿ごと空けます。

幹に水をためるパキラは、鉢の底がいつも湿っている状態がとくに苦手で、残った水は根腐れやコバエの原因になります。

土が乾いたかを確かめる3つの方法

表面が乾いて見えても、鉢の中はまだ湿っていることがあります。

パキラの鉢の土に竹串が1本深く挿してある様子

確かめ方は、次の3つを組み合わせると確実です。

方法やり方向いている鉢
指で触る土に指を第一関節まで入れ、湿り気がなければ乾いている小〜中鉢
竹串を挿す竹串を鉢の深くまで挿し、抜いて湿った土がついていなければ乾いている中〜大鉢
鉢の重さ水やり直後と比べて、持ち上げたときに明らかに軽ければ乾いている持ち上げられる鉢

大きな鉢では表面と底の乾き方の差が大きいので、竹串のほうが確実です。

竹串は挿しっぱなしにしておけば、水やりのたびに抜いて確かめられます。

葉水は乾燥する季節の補助

霧吹きで葉に水をかける葉水(はみず)は、エアコンで空気が乾く夏や冬に役立ちます。

葉に細かい水滴がついたパキラと、横に置かれた霧吹き

葉のほこりを落とし、乾燥を好むハダニを寄せつけにくくする効果も期待できます。

土への水やりとは別物なので、冬でも葉水は続けて構いません。

根腐れのサインに注意
幹の根元を押すとやわらかい、土から嫌なにおいがする、水をあげても葉がしおれたまま、という症状が重なる場合は根腐れが疑われます。
この状態で水を足すと悪化するので、まず水やりを止め、風通しのよい明るい場所で土を乾かします。

水やりでよくある疑問

水やりについては、実際に迷いやすい場面がいくつかあります。

毎週日曜日、のように曜日を決めて水をあげてもいいですか?

曜日を決めると、乾いていないのに水をあげてしまう日が出てきます。

曜日は「土の乾きを確かめる日」として決めるのがおすすめで、確かめて乾いていなければ、その日は水をあげずに見送ります。

水をあげたのに、葉がしおれたままです。

水切れなら、水をあげて半日〜1日ほどで葉に張りが戻ります。

戻らない場合は、根が傷んで水を吸えていない可能性があるので、水を足さずに幹の根元のやわらかさや土のにおいを確かめます。

1週間ほど家を空けるときはどうすればいいですか?

春や秋であれば、出かける前日にたっぷり水をあげ、直射日光の当たらない明るい場所に移しておけば、1週間程度はもつことが多いです。

真夏は室温が上がって乾きが早くなるため、カーテンを閉めて日差しを弱め、エアコンの風が当たらない位置に置いておきます。

水道水をそのまま使っても大丈夫ですか?

水道水のままで問題ありません。

ただ、冬は冷たすぎる水が根の負担になるので、汲み置きして室温に近づけた水を使うと根を冷やしません。

季節ごとの管理の目安

パキラの手入れは、季節によってやることが変わります。

関東から西の平野部の室内を想定すると、季節ごとの目安は次のとおりです。

季節置き場所水やり肥料その他の手入れ
春(3〜5月)レースカーテン越しの窓辺土の表面が乾いたらたっぷり5月から再開植え替え・剪定の準備
夏(6〜8月)明るい日陰、西日を避ける乾きが早いので乾いたらすぐ生育期に入れる剪定・植え替えの適期、葉水
秋(9〜11月)窓辺、11月から夜の冷えに注意10月以降は少しずつ控える9月まで冬の置き場所を決めておく
冬(12〜2月)10℃以上を保てる部屋の明るい場所土が乾いてから2〜3日後与えない暖房の風を避け、葉水で乾燥対策

寒冷地や、暖房をあまり使わない家では、秋の「控える」時期を早めに、冬の水やりの間隔をさらに長めにとります。

数字は目安で、最終的な判断はいつも土の乾き具合です。

冬越しは「温度」と「水を減らす」の2本立て

パキラを枯らしてしまう時期として多いのが冬です。

寒さそのものと、寒い時期の水のあげすぎ、この2つが重なると一気に弱ります。

最低温度の目安は10℃

冬の室内は、昼間は暖かくても、暖房を切った明け方に大きく冷え込みます。

パキラを置く部屋は、明け方でも10℃前後を保てるのが理想で、少なくとも5℃は下回らないようにします。

温度計を鉢の近くに置いて、朝いちばんの温度を一度見ておくと、その部屋で冬を越せるかが判断できます。

夜の窓際は想像以上に冷える

昼間は日当たりのよい窓辺も、夜になると窓ガラスから冷気が伝わり、部屋の中ほどより数℃低くなることがあります。

夜、窓から離して部屋の中ほどの低い台に移されたパキラの鉢

暖房を切って寝る前に、鉢を窓から1mほど部屋の内側へ引いておくだけでも、明け方の冷え込みの影響は小さくなります。

大きな鉢を毎日動かすのが大変なら、キャスター付きの台に載せておくと、移動の手間が減ります。

冬の水やりは「乾いてから2〜3日後」

冬のパキラはほとんど成長しないため、水を吸う量も減ります。

土の表面が乾いても、すぐにはあげず、さらに2〜3日待ってからあげるのが目安です。

あげるときは、暖かい日の午前中に、室温に近い水を使います。

夕方や夜にあげると、鉢の中が冷えたまま夜を越すことになり、根の負担になります。

冬に葉が数枚黄色くなって落ちるのは、環境の変化に合わせた反応であることも多く、幹が硬く、新芽の部分が緑色なら、春まで様子を見て構いません。

肥料と植え替えの目安

肥料と植え替えは、どちらも株が元気に育っている時期に行うのが基本です。

弱っている株に肥料をあげても回復の助けにはならないので、順番を取り違えないようにします。

肥料は5〜9月だけ、控えめに

肥料をあげるのは、新しい葉が出てくる5〜9月です。

ゆっくり効く粒状の肥料を土の上に置く方法なら2か月に1回ほど、液体肥料なら水やりの代わりに10日〜2週間に1回ほどが一般的な目安です。

量と回数は、使う製品のラベルの表示に従います。

葉が増えない冬と、根を切ったばかりの植え替え直後、幹がやわらかいなど調子を崩しているときは、肥料を休みます。

植え替えは2年に1回、5〜7月ごろに

鉢の底穴から根が出てきた、水をあげても土にしみ込みにくくなった、というときは、鉢の中が根でいっぱいになっているサインです。

植え替え用の鉢、土、スコップ、軽石を茶色い紙の上に並べた様子

パキラの植え替えは、暖かくなって成長が始まる5〜7月ごろが適しています。

2年に1回を目安に、ひとまわり大きな鉢と、水はけのよい観葉植物用の土に植え替えます。

観葉植物全般の植え替えの手順は、別の記事で取り上げる予定です。

調子が悪いときに見たいサイン

パキラの不調は、葉と幹に表れます。

葉が黄色くなって数枚が鉢の周りに落ちているパキラ

よく見られる症状と、考えられる原因、まずやることを並べました。

症状考えられる原因まずやること
下のほうの葉が1〜2枚ずつ黄色くなって落ちる古い葉の入れ替わり新芽が出ていれば心配はいらない
葉が一度に何枚も落ちる寒さ、置き場所の急な変化、根腐れ置き場所の温度と、幹の根元の硬さを確かめる
葉の縁や先が茶色く枯れるエアコンの風、空気の乾燥、水切れ風の当たらない位置に移し、葉水をする
葉が白っぽく、または茶色く焼けたようになる直射日光による葉焼けレースカーテン越しの光に移す。焼けた部分は元に戻らない
枝がひょろ長く伸び、葉の間が広い光不足による徒長明るい場所へ移し、形は剪定で整える
幹の根元がやわらかい、土がにおう根腐れ水やりを止めて土を乾かす。進んでいれば傷んだ根を取り除いて植え替える

幹がぶよぶよとやわらかくなっている部分は、元には戻りません。

上のほうに硬く元気な部分が残っていれば、そこを切って挿し木で株を更新する方法もあります。

観葉植物が枯れる原因を症状から探す方法は、別の記事で扱う予定です。

水やりの日付を、1年分書き残す

パキラの土が乾くまでの日数は、同じ部屋に置いていても、夏と冬とで大きく変わります。

カレンダーやスマートフォンのメモに、水やりのたびに1行ずつ残していくと、その変わり方が自分の部屋の数字で見えてきます。

水やりメモに書いておくこと
水をあげた日付
その日の朝の室温
竹串を抜いたときの土の様子(乾いていた/まだ湿っていた)
新芽が開いた、下葉が落ちた、などの変化

「前回から何日で乾いたか」が並ぶと、5〜9月は何日、11月以降は何日という、その部屋での間隔がつかめます。

10月に水を控え始めるタイミングも、冬に「乾いてから2〜3日後」を数える起点も、メモを見返すだけで決まるようになります。

翌年の同じ月と比べて急に乾きが遅くなっていたら、根が傷み始めていないか、幹の根元の硬さを確かめるきっかけにもなります。

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