暖かい季節のポトスは、つるが1か月で10cm以上伸びることも珍しくありません。
買ったときは鉢の縁から少し垂れる程度だったつるが、半年もすると棚の下まで届き、根元の葉はまばらで先のほうだけが茂った姿になっていきます。
ポトスで多い悩みは、枯れることよりも、こうした伸びすぎと形のくずれです。
とはいえ、伸びたつるは困りものではなく、切ればそのまま株を増やす材料になります。
日陰でも育つ理由と置き場所・水やりの基本から、垂らす・登らせるといった仕立て方、伸びすぎたつるの切り戻しと挿し木までを取り上げます。
ポトスが日陰でも育つ理由
ポトスは東南アジアなどの熱帯に自生する、サトイモ科のつる植物です。

自生地では、森の中の木の幹に気根で張りつきながら登っていきます。
大きな木の下の、光が少ない場所で育つ植物なので、室内の明るい日陰でも光合成ができるのが強みです。
日陰に強くても、暗すぎると姿が変わる
日陰に強いとはいえ、光が少ないほど成長はゆっくりになります。

暗い場所が続くと、つるが細く長く伸びて葉と葉の間が広がり、葉の模様(斑)が薄くなって、緑一色に近づいていくこともあります。
斑の美しさを保ちたいなら、日陰の中でもできるだけ明るい場所を選びます。
寒さとペットへの注意
ポトスは寒さに弱く、冬は10℃前後を保てる場所が理想です。
ポトスの葉や茎にはシュウ酸カルシウムが含まれているとされ、海外の植物一覧で犬や猫への注意が挙げられています。
吊り鉢から垂れたつるは、ペットが飛びついたり、かじったりしやすい高さになりがちなので、届かない位置に吊るすなどの工夫が必要です。
ペットが口にして様子がおかしいときは、自己判断せずに動物病院に相談してください。
よく見かける品種
ポトスにはいくつかの品種があり、斑の量で育て方の向き不向きが少し変わります。

緑の多い品種:ゴールデンポトス(緑に黄色の斑が入る定番)、ライム(明るい黄緑一色)、グローバルグリーン(濃い緑と明るい緑の斑)。
成長が早く、暗めの場所にも比較的よく耐えます。
白い斑の多い品種:マーブルクイーン(白い斑が多く入る)、エンジョイ(小さめの葉に白い斑)。
白い部分は光合成をしにくいため、成長がゆっくりで、緑の多い品種よりも明るい場所を好みます。
「日陰でも育つ」という評判は、主に緑の多い品種の話だと考えておくと、置き場所選びで外しません。
置き場所と水やりの基本
ポトスの置き場所は、明るさと冬の温度の2つで決めます。
水やりは、ほかの観葉植物と同じく、土が乾いてからあげるのが基本です。
明るい日陰がいちばん育つ
いちばん育ちやすいのは、レースカーテン越しの光が届く明るい日陰です。

直射日光は葉焼けのもとになるので、窓辺に置く場合はカーテンで光をやわらげます。
日の入りにくい玄関や廊下に置く場合の考え方は、玄関に置く観葉植物の選び方の「窓がほぼない玄関」の項目がそのまま当てはまります。
自分の部屋の窓がどの明るさの区分になるかを知りたいときは、日当たり別の置き場所の診断の早見表で、ポトスの欄を見ると判断できます。
春〜秋は乾いたらたっぷり、吊り鉢は乾きが早い
新しい葉がどんどん出る5〜9月は、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりあげます。
吊り鉢は空気に触れる面が多く、高い位置は暖かい空気がたまるので、床置きの鉢より乾きが早いことを覚えておきます。
水をあげる日は、吊り鉢を下ろしてシンクや浴室で水をやり、水が切れてから戻すと、床を濡らさずに済みます。
つるの先の葉がしんなり垂れていたら水切れのサインで、水をあげれば半日ほどで張りが戻ることが多いです。
冬は乾いてから数日待つ
11月ごろからは水やりの間隔を空け、冬は土が乾いてから2〜3日待ってからあげます。
暖房で空気が乾く部屋では、霧吹きで葉に水をかける葉水を続けると、乾燥を好むハダニの予防にもつながります。
ポトスの水やりだけを詳しく扱う記事は、別に用意する予定です。
仕立て方を選ぶ
ポトスは、同じ株でも仕立て方によって、まったく違う見え方になります。
置きたい場所と手入れのしかたで、どの仕立てにするかを決めます。
| 仕立て方 | 見た目 | 向いている場所 | 手入れのポイント | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|---|
| 垂らす | 鉢からつるが滝のように下がる | 吊り鉢、棚や本棚の上 | 長くなりすぎたら切り戻す | 根元の葉が減って先だけ茂りがち |
| 這わせる | 壁や棚に沿ってつるが横に広がる | 壁面、カーテンレールの上、棚の縁 | クリップやフックでつるを留める | 壁に気根が張りつくことがある |
| 登らせる | 支柱に沿って上へ伸びる | 床置きや棚の上の中型の鉢 | 支柱に沿わせてひもで留める | 支柱の長さが足りなくなったら替える |
| こんもりまとめる | 鉢の上で丸く茂る | テーブルや窓辺の小さな鉢 | こまめに切り戻し、切ったつるを鉢に挿し戻す | 伸びるのが早いので放っておくと垂れてくる |
支柱で登らせると葉が大きくなる
ポトスは本来、木を登る植物なので、支柱に登らせると、垂らして育てたときより葉が大きくなりやすいと言われています。

園芸店で見かける、ハート形の大きな葉が並んだポトスの多くは、ヘゴ支柱やモスポールに登らせた株です。
反対に、垂らしたつるの先では、葉が少しずつ小さくなっていく傾向があります。
大きな葉を楽しみたいなら登らせる、つるの流れを楽しみたいなら垂らす、という選び方ができます。
同じように支柱で上へ育てるモンステラの支柱の立て方は、モンステラの育て方の手順がポトスにも応用できます。
吊るすときは重さと高さを確かめる
吊り鉢は水をあげた直後がいちばん重くなります。

天井や壁に吊るすときは、フックや金具の耐荷重が、水を含んだ鉢の重さに対して十分かを確かめておきます。
高く吊るしすぎると、乾き具合の確認や水やりのたびに脚立が必要になり、手入れがおっくうになります。
手を伸ばして鉢の底に届くくらいの高さが、続けやすい目安です。
伸びすぎたつるの切り戻し
長く伸びたつるは、切り戻すことで形を整えられます。
切った位置の近くから新しい芽が出てくるので、切れば切るほど、枝分かれして茂った姿に近づいていきます。
切る時期は5〜9月
切り戻しに向いているのは、成長が盛んな5〜9月です。
この時期なら、切ったあとに新しい芽が出るまでが早く、切ったつるも根が出やすい状態です。
冬に切ると、新しい芽がなかなか出ず、切り口から傷むこともあるので、どうしても邪魔な部分を少し切る程度にとどめます。
切る位置は「節」のすぐ上
ポトスのつるには、葉の付け根ごとに少しふくらんだ節(ふし)があり、節からは新しい芽や気根が出てきます。

切るときは、残したい節のすぐ上(1cmほど上)を、清潔なハサミで切ります。
根元に葉が少なくなっている株は、思い切って鉢の縁から10〜20cmほどの位置まで切り戻すと、株元から新しいつるが出て、こんもりした姿を取り戻せます。
切ったときに出る汁が肌につくと、かぶれることがあるので、作業のときは手袋をつけます。
切ったつるを挿し木で増やす
切り戻したつるは、捨てずに挿し木にすると、新しい株になります。

元の鉢の株元に挿し戻せば、まばらになった根元を茂らせることもできます。
元気な葉がついたつるを、節が2〜3個つくように切り分けます。
節から茶色い気根が出ているものは、根が出るのが早い傾向があります。
水や土に入る位置にある葉は取り除き、上の1〜2枚の葉だけを残します。
葉が大きい場合は、半分ほどに切ると、葉からの水分の蒸発が減ります。
コップや瓶に水を入れ、下の節が水に浸かるように挿します。
土に挿す場合は、湿らせた挿し木用の土や小粒の赤玉土に、節が埋まるように挿します。
直射日光の当たらない明るい場所に置き、水に挿した場合は、水が濁る前に、2〜3日に1回を目安に替えます。
暖かい時期なら、2〜3週間ほどで節から白い根が伸びてくるのが一般的です。
根が数cmほど伸びたら、観葉植物用の土を入れた鉢に植え付けます。
植え付けて1〜2週間は土を乾かしすぎないようにし、明るい日陰で根を落ち着かせます。
肥料と植え替え
肥料は、新しい葉が出る5〜9月に、使う製品のラベルの量と間隔を守って与えます。
冬や、植え替えた直後、弱っているときは与えません。
植え替えは、鉢底から根が出てきたり、水が土にしみ込みにくくなったりしたら、5〜7月ごろにひとまわり大きな鉢に移します。
成長が早いので、1〜2年に1回くらいが目安です。
吊り鉢の場合は、鉢を大きくすると重くなるため、鉢のサイズは変えずに、根を少し整理して古い土を入れ替える方法もあります。
切り戻しは「減らす」より「増やす」作業
伸びすぎたポトスを前にすると、切るのはもったいないと感じるかもしれません。
けれども、ポトスの切り戻しは、株を小さくする作業というより、つるの先にある元気な部分を、新しい株や根元の茂みに回す作業です。
長いつるを1本切れば、根元に新しい芽が出て、切ったつるからは挿し木の株が2つ3つ生まれます。
暖かい季節のうちに一度切っておくと、冬に入るころには、根元まで葉のそろった株に戻っています。

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