室内のガジュマルが葉をぱらぱら落とす、枝ばかり細長く伸びて形がくずれる。
この2つの悩みは、多くの場合、同じ原因「光の不足」から起きています。
ガジュマルは「室内向き」「丈夫」と紹介されることが多い一方で、観葉植物の中ではかなり日光を好む部類の木です。
部屋の奥の暗い場所に置かれやすいことが、つまずきの始まりになっています。
窓から2m以上離れた棚の上に置いているなら、まずは窓から1m以内へ寄せるだけで、葉の落ち方が変わってきます。
ガジュマルはどんな木か
ガジュマルはクワ科イチジク属(フィカス属)の木で、日本では屋久島から南の地域や沖縄に自生しています。
沖縄では大きな木に育ち、「キジムナー」という精霊が住む木として親しまれてきました。
室内の鉢植えとして育てるうえで知っておきたい特徴は、次の3つです。
南の島の日なたで育つ木
自生地のガジュマルは、強い日差しの下で枝を広げています。
そのため光が多いほど葉が厚く、枝が締まって育ちます。
寒さには観葉植物の中では比較的強く、5℃前後まで耐えるとされていますが、葉を落とさずに冬を越すには10℃前後あると余裕があります。
太い根と、空中に伸びる気根
ガジュマルの鉢植えは、太い根が土の上に盛り上がった独特の形で売られていることがよくあります。

これは根を土から出して太らせた「根上がり」と呼ばれる仕立てです。
湿度が高い時期には、幹や枝から細いひげのような気根(きこん)が垂れ下がってくることもあります。
気根は空気中の水分を取り込むための根で、生えてきても異常ではありません。
見た目が気になる場合は切っても株は弱りませんが、そのまま伸ばして土に届くと、やがて太い支柱のような根になっていきます。
枝や葉を切ると白い樹液が出る
ガジュマルの枝や葉を切ると、切り口から白い乳液のような樹液が出てきます。

イチジクの仲間に共通する性質で、肌に触れるとかぶれることがあるため、剪定するときは手袋をつけ、床や家具に垂れないよう新聞紙を敷いておきます。
フィカス属の植物は、海外の植物一覧で犬や猫への注意が挙げられている種類が多いので、ペットがいる家では葉をかじられない位置に置きます。
ペットが口にして様子がおかしいときは、自己判断せずに動物病院に相談してください。
置き場所は「日の当たる窓辺」が基本
ガジュマルを室内で元気に保ついちばんの近道は、できるだけ明るい場所に置くことです。
日陰に置いてもすぐには枯れませんが、少しずつ葉を落とし、新しい枝が細く伸びていきます。
売り場で隣に並ぶことの多いパキラは、幹にためた水でしばらく日陰でも姿を保ちますが、ガジュマルは光が減ったときの反応が早く、葉の数ですぐにわかります。
向いている場所・向いていない場所
同じ部屋の中でも、置く位置によって育ち方ははっきり変わります。

自分の部屋の窓がどのくらいの明るさに当たるかは、日当たり別の置き場所の診断に3つの質問で答えると見当がつきます。
直射日光は「慣らしてから」
日光を好むガジュマルでも、ずっと室内にあった株を急に真夏の直射日光に当てると、葉焼けを起こします。
葉の一部が白っぽく抜けたり、茶色く乾いたりしたら葉焼けのサインです。
屋外に出すときや、暗い場所から窓辺に移すときは、明るい日陰から始めて、1〜2週間ほどかけて少しずつ光に慣らしていきます。
春から秋は屋外も選択肢
最低気温が15℃を超えるようになる5月ごろから、9月いっぱいくらいまでは、ベランダや軒下で育てる方法もあります。

屋外の光と風に当たると枝が締まり、葉の色も濃くなります。
ただし、台風や強い雨の日、真夏の西日が長く当たる時間は室内に戻すか、半日陰に移します。
秋に最低気温が15℃を下回るころには室内に取り込み、取り込んだ直後は窓辺のいちばん明るい場所に置きます。
葉が落ちる・ひょろ長くなるときの見直し方
ガジュマルの相談で特に多いのが、葉と枝の姿についての悩みです。
リビングの奥の棚に置いて半年。
買ったときはこんもり茂っていた葉が枝先に数枚だけになり、枝は2倍近くに伸びました。
水も肥料も、言われたとおりにあげていたはずです。
こうしたケースでは、水や肥料より先に、置き場所の明るさを見直します。
暗い場所で伸びた枝は、葉と葉の間が間延びしたまま元には戻らないので、明るい場所に移してから、春〜初夏に剪定で形を整え直すのが現実的な順番です。
症状から原因を絞る
葉が落ちる・形がくずれるといっても、原因は1つではありません。

よく見られる症状ごとに、考えられる原因と見直したい点を並べました。
| 症状 | よくある原因 | 見直したいこと |
|---|---|---|
| 置き場所を変えた直後に葉が何枚も落ちた | 光や温度の急な変化 | 新芽が出ていれば数週間で落ち着く。何度も動かさない |
| 枝が細長く伸び、葉の間が広い | 光不足による徒長 | 窓辺へ移し、伸びた枝は暖かい時期に剪定 |
| 冬に葉が黄色くなって落ちる | 寒さ、または冬の水のあげすぎ | 夜の窓際の冷えと、土が乾く前に水をあげていないか |
| 葉がしおれて、土がずっと湿っている | 根腐れ | 水やりを止めて乾かす。幹の根元の硬さを確かめる |
| 葉の先や縁が茶色く乾く | エアコンの風、水切れ、葉焼け | 風の当たらない位置に移し、乾いたらたっぷり水をあげる |
置き場所を変えたあとの落葉は珍しくない
ガジュマルは、光や温度の変化に合わせて葉を入れ替える木です。
お店から家に連れて帰った直後や、季節に合わせて置き場所を変えたあとに数枚〜十数枚の葉が落ちるのは、よくある反応です。
新しい場所が明るく、枝先に小さな新芽が見えていれば、そのまま様子を見て大丈夫です。
落葉が気になって何度も置き場所を変えると、そのたびに株が環境に合わせ直すことになり、かえって弱ります。
水やりは季節で間隔を変える
ガジュマルは、春から秋の成長期にはよく水を吸い、冬はほとんど吸わなくなります。
季節ごとに、水やりの間隔をはっきり変えるのがコツです。
春〜秋は「表面が乾いたらたっぷり」
枝先の新芽が次々に開き、気根も伸びてくる5〜9月は、ガジュマルがいちばん水を欲しがる時期です。

土の表面が白っぽく乾いたら、盛り上がった太い根のまわりを一周するように水を注ぎ、底穴から流れ出てくるのを見届けて止めます。
ガジュマルは観葉植物の中では水をよく使うほうで、真夏に明るい場所に置いた小さな鉢では、毎日のように乾くこともあります。
指を土に入れて、第一関節あたりまで乾いていれば水やりのタイミングです。
毎日のように水をあげる真夏ほど受け皿に水が残りやすいので、あげたついでに受け皿も空けておきます。
冬は「乾いてから数日待つ」
気温が下がる11月ごろからは、水やりの間隔を少しずつ空けていきます。
冬は土の表面が乾いてからさらに2〜3日待ってからあげるくらいが目安です。
暖房の効いた暖かい部屋で、葉がたくさん残っている株は冬でも乾きが早めなので、日数より土の乾き具合で判断します。
冬の水やりは、暖かい日の午前中に、室温に近い水であげます。
葉水で乾燥とハダニを防ぐ
エアコンや暖房で空気が乾く季節は、霧吹きで葉に水をかける葉水を習慣にします。
葉の表面のほこりが落ちて光を受けやすくなるうえ、乾いた環境を好むハダニを寄せつけにくくする効果も期待できます。
葉の裏にも水がかかるように吹きかけるのがポイントです。
冬越しと寒さ対策
ガジュマルは観葉植物の中では寒さに強いほうですが、室内の窓際は冬の夜に想像以上に冷え込みます。
冬を越すときの目安は、最低でも5℃、できれば10℃前後です。
昼間は日当たりのよい窓辺で光を稼ぎ、夜は暖房を切る前に、窓ガラスから50cmほど内側へ鉢をずらしておくと、冷気で葉を落とされにくくなります。
寒さで傷んだ葉は黄色や茶色になって落ちますが、幹が硬く、枝先が緑色なら、春に新芽が出てくる可能性があります。
冬に葉が落ちたからといって水や肥料を増やすのは逆効果で、根が水を吸えない時期の水分は根腐れのもとになります。
肥料・植え替えと、盆栽仕立てとの違い
肥料と植え替えは、どちらも暖かい成長期に行います。
肥料は5〜9月に、ラベルどおりの量で
肥料は、新しい葉が出てくる5〜9月に与えます。
土の上に置く粒状の肥料なら2か月ごと、水に溶かす液体肥料なら10日〜2週間ごとが一般的な間隔で、量は使う製品のラベルの表示に従います。
葉を落としている冬や、根上がりの根を触った植え替え直後は、肥料を止めて株を休ませます。
植え替えは2年に1回、根上がりの形を残して
鉢底の穴から根が出てきたり、水が土にしみ込みにくくなったりしたら、植え替えのサインです。

適期は5〜7月ごろで、2年に1回くらいを目安に、ひとまわり大きな鉢に植え替えます。
根上がりの株は、太い根を土に埋め込まず、元と同じくらいの高さで植え付けると、特徴的な姿を保てます。
ガジュマルの剪定の時期や切り方、切った枝を挿し木で増やす方法は、別の記事で扱う予定です。
葉が1枚もなくなったら、枝の皮を爪で削ってみる
葉が1枚もなくなってしまったガジュマルは、もう枯れているのでしょうか。

葉がすべて落ちても、幹や枝が生きていれば、暖かくなってから新芽が出てくることがあります。
生きているかどうかは、見た目ではなく、皮の下の色で確かめます。
- 細い枝の先の皮を、爪で米粒くらいの大きさだけ削る
- 削った下の色を見る。みずみずしい緑色なら生きている、茶色く乾いてポキッと折れるなら、その枝先は枯れている
- 枝先が茶色だったら、少し根元寄りの位置で同じように削り、緑色が出てくるところを探す
- 最後に幹を軽く握る。硬く張りがあれば根も生きている可能性が高く、ぶよぶよとやわらかいなら根腐れが進んでいる
緑色が残っていた株は、水やりを控えめにして明るく暖かい場所に置き、5〜6月ごろまで新芽を待ちます。
5月を過ぎても枝先がまったく動かないときは、鉢から株をそっと抜き、白くて張りのある根が残っているかを見ます。
新芽が動き出したら、茶色く枯れていた枝先は、緑色が残っていた位置のすぐ上で切り戻します。
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