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パキラの剪定、時期と切る位置、幹の途中で切って仕立て直す方法

明るい窓辺に置かれた、手のひら状の葉をつけたパキラの鉢と剪定ばさみ

パキラの幹を近くでよく見ると、葉が落ちた跡のあたりに、小さなしわや盛り上がりが点々と残っています。

新しい芽は、この目立たないふくらみから出てきます。

剪定でいちばん大事なのは、どこで切れば次の芽が出るかを先に知っておくことです。

ここを外して切ると、切り口の下に芽の元が残らず、枝がそのまま止まってしまうことがあります。

結論から言うと、パキラの剪定は5〜6月ごろに、芽の出る位置(成長点)のすぐ上で切るのが基本です。

伸びすぎた枝を少し詰めるだけでなく、ひょろ長くなった幹を途中で切り、低い位置から枝を出し直すこともできます。

目次

新しい芽はどこから出るのか

剪定の時期や道具より先に、まずは芽の出る場所を確かめておきます。

ここが分かれば、切る位置はほとんど自然に決まります。

幹や枝にある「成長点」を探す

パキラの新芽は、葉の付け根があった位置から出てきます。

葉が落ちた跡の小さな盛り上がりが点々と並ぶパキラの茎のクローズアップ

葉が落ちたあとの幹には、横向きの線や、ぽこっとした小さな盛り上がりが残ります。

園芸の解説では、この芽の元を成長点と呼ぶことが多く、パキラの剪定ではこの言葉がよく出てきます。

枝の先端だけでなく、幹の途中にもいくつも並んでいるので、まずは指でなぞって位置を確かめます。

古い太い幹では跡が薄くなって見つけにくいことがありますが、明るい場所で斜めから光を当てると、わずかな凹凸が見えやすくなります。

芽は切り口より下からしか出ない

切った位置より上には、もう枝はありません。

新しい芽は、切り口のすぐ下にある成長点から1本、多いときは2〜3本出てきます。

そこから伸びた枝が、暖かい時期のあいだにぐんぐん伸びていきます。

仕上がりの高さより、少し低い位置で切るのがこつです。
切ったあとに出た芽がそこから伸びるので、「ちょうどいい高さ」で切ると、1シーズン後にはまた伸びすぎた状態に戻りやすくなります。

たとえば天井に届きそうな株を1.2mくらいに収めたいなら、その高さよりも20〜30cmほど下にある成長点を選んでおくと、伸びた枝を含めて落ち着いた背丈になります。

剪定に向く時期は5〜6月

パキラは暖かい季節によく育ち、寒くなると成長がほとんど止まる木です。

剪定の時期は、切ったあとに芽を出す力が残っているかどうかで決まります。

時期剪定の向き・不向き理由
4月軽い切り戻しなら可室温が15℃を超える日が増えてくれば芽が動き始める
5〜6月いちばん向いている成長が盛んで、切ったあとの芽吹きが早い
7月向いている芽は出るが、真夏の前に済ませたい
8〜9月枝先を整える程度強く切ると、芽が育ちきる前に気温が下がる
10〜3月避ける成長がほぼ止まり、切り口から傷みやすい

幹を途中で切るような強い剪定は、5〜6月に済ませておくと、新しい枝が冬までに十分に育ちます。

4月の時点では地域や部屋によって室温の差が大きいので、新しい葉が開き始めたのを合図にするとずれにくくなります。

秋や冬に切ると、芽が出ないまま春を待つことになる

秋に強く切ると、芽が出るまでに時間がかかり、出たとしても小さいまま冬に入ります。

冬のあいだは葉の数が少ないぶん、株が光から作れる養分も減ってしまいます。

秋冬に気になる枝があっても、折れた枝や枯れた枝を取り除く程度にとどめるのが無難です。

形を整えるのは、翌年の春まで待ちます。

元気のない株は、切る前に回復を待つ

葉の色が悪い、幹の根元がやわらかい、といった株は、剪定で元気にはなりません。

切ると葉が減るぶん、弱った株にとってはさらに負担になります。

まずは置き場所や水やりを見直し、新しい葉が出てくるまで回復させてから切るほうが確実です。

葉の色や落ち方から弱った原因を絞り込む手順は、観葉植物が枯れる原因を症状から探すで症状ごとにたどれます。

目的別、切る位置の決め方

同じ「剪定」でも、伸びた枝を短くしたいのか、込み合った枝を減らしたいのかで、切る位置は変わります。

目的をはっきりさせてから、はさみを入れる場所を決めます。

伸びすぎた枝を短くする(切り戻し)

枝の途中で切るときは、残したい長さのあたりで成長点を探し、そのすぐ上で切ります。

切り口がきれいな切り取ったパキラの枝と、閉じて置かれた剪定ばさみ

成長点から数mm〜1cmほど上が、よく紹介される目安です。

成長点から離れすぎた位置で切ると、その間の枝が枯れ込んで茶色く残ることがあります。

反対に成長点ぎりぎりで切ると、芽の元を傷つけるおそれがあります。

込み合った枝を減らす(間引き)

内側に向かって伸びる枝や、ほかの枝と重なっている枝は、枝の付け根から切り取ります。

この切り方は株を小さくするためではなく、中まで光と風を通すためのものです。

枝が込み合ったままだと、内側の葉が光不足で黄色くなり、落ちやすくなります。

間引くときは、正面から株を見て、枝同士が交差しているところから先に減らすと、全体のバランスが崩れにくくなります。

葉だけを整理する

枝は切らずに、黄ばんだ葉や傷んだ葉だけを取る場合は、葉の柄の付け根で切ります。

下のほうの葉が1〜2枚ずつ黄色くなるのは、古い葉の入れ替わりのことが多く、それ自体は心配いりません。

大きくなりすぎた葉が通路に張り出しているときも、同じように柄の付け根から取れます。

幹の途中で切って仕立て直す

買ったときより幹が細長く伸びて、葉は上のほうにしか残っていない、という姿になることがあります。

幹が細長く伸びて、葉が上のほうにだけ残ったパキラの鉢

こうなったパキラは、枝先を少し詰めるだけでは形が戻りません。

生育期の元気な株なら、幹の途中で思い切って切り、低い位置から枝を出し直すことができます。

切る高さの決め方

幹を切る位置は、残す幹の上のほうに成長点があることが条件です。

成長点がまったく見当たらない位置で切ると、芽が出るまでに時間がかかったり、出なかったりします。

編み込みのパキラは、何本かの幹を三つ編みのように仕立ててあるので、すべての幹に成長点が残る高さで切りそろえます。

1本だけ極端に細い幹がある場合は、そこから芽が出にくいことがあります。

STEP1
道具と場所を用意する

よく切れる清潔な剪定ばさみを用意し、太い幹にはのこぎりを使います。

床に新聞紙を敷き、手袋をつけて作業します。

STEP2
切る位置に印をつける

残したい高さの少し下で成長点を探し、そのすぐ上にマスキングテープなどで印をつけます。

鉢から少し離れて全体を見て、高さに無理がないかを確かめます。

STEP3
成長点のすぐ上で切る

印の位置で、幹をひと息に切ります。

切り口をわずかに斜めにすると、水がたまりにくくなります。

STEP4
太い切り口を保護する

切り口が太いときは、市販の癒合剤を塗って乾燥や雑菌の入り込みを防ぐ方法があります。

使う場合は、製品の説明に従って塗ります。

STEP5
明るい日陰で芽を待つ

直射日光の当たらない明るい場所に置き、土が乾いてから水をあげます。

葉が減ったぶん水の吸い上げも減るので、切る前と同じペースで水をあげ続けないようにします。

暖かい時期なら、早ければ2〜4週間ほどで、切り口の下に小さな芽が見えてきます。

芽が伸び始めて葉が開いたら、少しずつ明るい窓辺へ戻していきます。

芽が増えすぎたら、残す芽を選ぶ

切り口の下からは、1か所に2〜3本の芽が出ることがあります。

幹の切り口のすぐ下から2〜3本の新芽が出てきたパキラ

すべて伸ばすと枝が細く込み合うので、向きのよい芽を1〜2本残し、ほかは小さいうちに摘み取ります。

これを芽かきと呼びます。

外側に向かって伸びる芽を残すと、株が横に広がって、こんもりとした形にまとまりやすくなります。

葉が1枚もなくなるまで切っても大丈夫?
生育期の元気な株であれば、幹だけになっても成長点から芽を出すことが多いとされています。
ただし葉がない期間は光から養分を作れないので、根腐れぎみの株や秋以降の株では避けたほうが無難です。

切ったあとによくある失敗

剪定がうまくいかなかったケースは、切った位置よりも、時期と切ったあとの管理でつまずいていることが少なくありません。

よくある例をまとめます。

パキラの剪定でつまずきやすい4つの場面
時期:11月に背丈を半分に切ると、芽が出ないまま冬に入り、切り口から下が茶色く枯れ込むことがあります。
位置:成長点を確かめずに枝の途中で切ると、先に芽が出ず、切り株のような枝だけが残りがちです。
水:葉がほとんどなくなったのに切る前と同じ間隔で水をあげると、土が乾かず、幹の根元がやわらかくなっていきます。
光:切った直後に日差しの強い窓辺へ移すと、残った少ない葉が葉焼けして、さらに葉が減ってしまいます。

いずれも、切る前の準備と切ったあとの数週間の扱いを変えるだけで避けられます。

芽が出るまでのあいだは「明るい日陰」「水は控えめ」の2つを意識しておくと、たいていの株は持ち直します。

2か月たっても芽が動かず、幹を押してやわらかい場合は、根が傷んでいる可能性があります。

切り落とした枝先を、もう一鉢のパキラに

剪定で切り取った元気な枝は、捨てずに挿し木にすると新しい株として育てられます。

水を入れたガラスの瓶に挿したパキラの枝

挿し木に向くのも、剪定と同じ5〜7月ごろです。

幹を途中で切ったときは、切り取った上側に葉のついた枝先がまとまって残るので、その先端を10〜15cmほど切り分けて挿し穂にします。

パキラの葉は、小さな葉が手のひらのように5〜7枚集まった形をしています。

挿し穂に残す葉は2〜3枚にし、外側の小さな葉を何枚か切り落として面積を減らしておくと、根が出る前に水分が抜けすぎるのを防げます。

挿す先は水と土の2通りで、それぞれに向き不向きがあります。

挿し方良いところ気をつけたいところ
水挿し(瓶やコップ)根の出方が目で見える。容器ひとつで始められる水は濁る前に数日おきに替える。土に移すときに根が折れやすい
土挿し(挿し木用の土・小粒の赤玉土)根が出たあと、そのまま育てられる根の様子が見えない。土を乾かしきらないよう管理する

どちらの場合も、置き場所は直射日光の当たらない明るい日陰です。

暖かい時期なら、1か月ほどで根が出てくることが多いです。

挿し木で増やした株は、根元がとっくりのようにふくらんだ姿にはなりにくいとされています。
根元が太いパキラは種から育てた株(実生)によく見られる形で、挿し木の株は幹がまっすぐ伸びることが多いようです。

パキラの株の形の違いや、置き場所・水やりの基本は、パキラの育て方にまとめています。

自分で切れる範囲と、頼んだほうがよい場合

パキラの剪定は、ここまでの手順を守れば、ほとんどの場合は家庭で十分にこなせます。

業者や園芸店に頼むかどうかの分かれ目は、株の大きさと、幹の太さです。

背丈が2m前後までで、幹を剪定ばさみや家庭用ののこぎりで切れる太さなら、自分で切って問題ありません。

脚立に乗らないと上まで届かない大型の株や、重くて鉢を一人で動かせない株は、切った枝が落ちて家具や人に当たる心配があります。

こうした株は、作業に慣れた園芸店や植木の業者に相談するほうが安全です。

迷ったときは、一度に全部を切らず、今年は上の3分の1だけというように2年に分けて低くしていく方法もあります。

株への負担も小さく、切ったあとの芽の出方を見ながら次の年の位置を決められます。

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