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サンスベリアの育て方、水やりを控えめにする目安と冬の断水・置き場所

白い鉢に植えられた、剣のように立つ葉のサンスベリア

「サンスベリアは放っておいても育つ」。

園芸店や通販のレビューで、よく見かける言葉です。

これは半分は正しく、半分は誤解です。

正しいのは、水やりの回数が少なくて済むという点です。

一方で、ほかの観葉植物と同じペースで水をあげ続けたり、冬の冷える窓際に置きっぱなしにしたりすると、丈夫なはずのサンスベリアでも、根元から腐ったり、葉が倒れたりします。

つまり「放っておく」のは水やりの回数の話で、土の乾き具合と冬の温度だけは、こまめに見ておく必要があるということです。

具体的には、土が鉢の中まで乾いてからさらに数日待つことと、朝の室温が10℃を下回ったら水をほぼ止めることの2つです。

目次

サンスベリアが乾燥に強く、寒さに弱い理由

サンスベリアは、アフリカなどの乾燥した地域に自生する植物です。

剣のようにまっすぐ立つ厚い葉が特徴で、「サンセベリア」と表記されることもあります。

最近の植物の分類では、ドラセナ属に含められるようになり、学名の表記が変わってきていますが、園芸店では今も「サンスベリア」の名前で売られています。

葉の中に水をためている

サンスベリアの厚い葉は、中に水分をたっぷりため込める多肉質のつくりになっています。

濃い緑に淡い縞模様の入った、厚みのあるサンスベリアの剣状の葉のクローズアップ

雨の少ない土地で生き延びるための体なので、土が数週間乾いたままでも、葉の水分でしのげます。

その反面、土がいつも湿っている状態は苦手で、根が水につかったままになると、根元から腐りやすいのが弱点です。

寒さには弱い

乾燥には強いサンスベリアですが、寒さにはあまり強くありません。

冬の最低温度は10℃前後が目安で、それを下回る場所で土が湿っていると、根や葉の付け根が傷んでいきます。

「丈夫だから」と冬の玄関や窓際に置きっぱなしにして、春に気づいたら葉がやわらかく倒れていた、という失敗はこの性質から来ています。

よく見かける品種

サンスベリアには多くの品種があり、育て方の基本は共通です。

葉の形が違う3種類のサンスベリアの鉢を木の棚に並べた様子
  • ローレンティー: 葉の縁に黄色い帯が入る、もっとも定番の品種
  • ゼラニカ: 縁の黄色がなく、濃い緑に横じまが入る
  • スタッキー(ボンセレンシス): 葉が円柱状で、扇のように広がる
  • ハーニー: 背が低く、葉がロゼット状(放射状)に広がる小型の品種
  • マッソニアーナ: 幅の広い大きな葉が1〜2枚立つ

葉の厚い品種や円柱状の品種ほど水をためる力が強く、さらに水やりを控えめにして構いません。

サンスベリアの葉や根には、海外の植物一覧で犬や猫への注意が挙げられている成分が含まれているとされます。

ペットが葉をかじって様子がおかしいときは、自己判断せずに動物病院に相談してください。

置き場所は「明るい場所」が基本

サンスベリアは日陰に置かれることの多い植物ですが、本来は明るい場所を好みます。

日陰でもすぐには枯れないものの、成長がゆっくりになり、水を使う量も減ります。

明るい窓辺から部屋の中ほどまで

いちばん育ちやすいのは、レースカーテン越しに光が入る窓辺から、部屋の中ほどまでの明るい場所です。

窓から離れた明るい部屋の中ほどに置かれたサンスベリアの鉢

葉が厚く日光に強い性質なので、窓辺でもよく育ちますが、暗い場所から急に強い直射日光に当てると、葉焼けを起こします。

明るい場所に移すときは、1〜2週間かけて少しずつ光に慣らします。

暗い場所に置くなら、水を減らす

サンスベリアは、窓のないトイレや部屋の奥に飾られることもあります。

そうした場所では光合成が少ないため、水を吸う量も少なくなり、明るい場所と同じ間隔で水をあげると、過湿になりやすいのです。

光と水はセットで考えます。
暗い場所に置くほど、水やりの間隔はさらに長くとります。

窓のないトイレに緑を置くときの工夫は、トイレに置く観葉植物で、入れ替えや植物用ライトの使い方とあわせて取り上げています。

水やりの判断は「乾いてから、さらに待つ」

サンスベリアの水やりは、土が乾いたのを確かめてから、さらに数日待つのが基本です。

土が白っぽく乾ききって表面にひびが入ったサンスベリアの鉢の表面

ほかの観葉植物の「乾いたらたっぷり」より、ひと呼吸遅らせるイメージです。

たとえば春から秋のパキラなら、土が乾いたその日に水をあげますが、サンスベリアはその日から数えて数日あとが水やりの日になります。

水やりのたびに、次の流れで判断すると大きく外しません。

STEP1
土の表面を見る

土の色が白っぽく乾いているかを見ます。

表面がまだ黒っぽく湿っていれば、その日は何もしません。

STEP2
鉢の中まで乾いたか確かめる

竹串を鉢の底近くまで挿して抜き、湿った土がついてこなければ、中まで乾いています。

小さな鉢なら、持ち上げてはっきり軽くなっているかでも判断できます。

STEP3
そこから数日待つ

中まで乾いたのを確かめた日から、春と秋は3〜4日、夏は2〜3日ほど待ちます。

冬は、10℃以上を保てる部屋でも1週間以上空けるか、断水に近い管理に切り替えます。

STEP4
あげる日は土全体を湿らせる

水をあげる日は、乾いた土の全体に行き渡るよう、底穴から水が出てくるまで注ぎます。

葉の付け根(株の中心)に水がたまったら、軽く傾けて流しておきます。

STEP5
受け皿の水を捨て、葉で答え合わせをする

根に余分な水がいらないサンスベリアでは、受け皿に出た水も、注ぎ終えたその場で空けておきます。

数日後、葉にしわが寄っていなければ、間隔はちょうどよかったと考えられます。

葉のしわは「そろそろ水がほしい」のサイン

サンスベリアは、水が足りなくなると、葉の表面に細かい縦じわが寄ったり、葉が少し薄くなったりします。

縦に細かいしわが寄って張りが失われた、ほかの葉より色の薄いサンスベリアの葉

これは葉の中の水分が減ってきたサインで、しわが出てから水をあげても、多くの場合は数日で張りが戻ります。

反対に、葉の付け根がやわらかい、黄色っぽく透けてくる、土から嫌なにおいがするという場合は、水のあげすぎで根や付け根が傷んでいる可能性があります。

「しわ=水不足」「付け根がやわらかい=水のあげすぎ」と覚えておくと、葉を見るだけでおおよその判断ができます。

季節ごとの水やりの目安

サンスベリアの水やりは、気温によって大きく変わります。

関東から西の平野部の室内を想定した、季節ごとの目安です。

時期室温の目安水やりの目安置き場所
春(4〜5月)15℃を超える日が増える土が中まで乾いて3〜4日後にたっぷり明るい窓辺。冬に止めていた水は少量から再開
夏(6〜9月)20℃以上土が乾いて2〜3日後にたっぷり明るい場所。西日や急な直射日光は避ける
秋(10月)15℃前後に下がる間隔を少しずつ空けていく窓辺。夜の冷え込みに注意し始める
冬(11〜3月)10℃以上を保てる場合月1回ほど、暖かい日の午前中に少なめ明るく、夜も冷えない部屋の中ほど
冬(11〜3月)10℃を下回る場合断水に近い管理(基本はあげない)床や窓から離し、できるだけ暖かい場所

同じ月でも、暖房の効いた部屋と、暖房をあまり使わない部屋とでは乾き方がまったく違います。

日数はあくまで目安で、最後に決めるのはいつも土の乾き具合と葉の様子です。

サンスベリアの水やりだけを掘り下げた記事も、別に用意する予定です。

冬は断水に近い管理で越す

サンスベリアを冬に枯らしてしまう原因の多くは、寒さと水の組み合わせです。

冬の管理は「温度を保つ」と「水を減らす」の2つに絞って考えます。

水を止めるのは、株を守るため

気温が下がると、サンスベリアはほとんど成長しなくなり、根も水を吸わなくなります。

この時期に土が湿っていると、冷えた土の中で根が傷んでしまいます。

室温が10℃を下回るような環境では、水やりをほぼ止めて、乾かし気味に冬を越すのが一般的な方法です。

水を控えると、株が寒さに耐えやすい状態になるとも言われています。

冬のあいだに葉に少ししわが寄っても、春に水やりを再開すれば戻ることが多いので、心配はいりません。

冬の置き場所

冬は、昼間に光が入り、夜も冷え込みにくい部屋の中ほどに置きます。

冬の夜、暖色の照明がついた部屋で、窓から少し離れた木のテーブルの上に置かれたサンスベリアの鉢

窓際は夜、外気に近い温度まで下がることがあるため、日が落ちたら窓から離れた棚の上へ移します。

床に直接置くと、足元の冷気で鉢の中まで冷えるので、台や棚の上に載せて床から少し高さを出します。

冬越しのメモ
・10月:水やりの間隔を少しずつ空け始める
・11月:朝いちばんの室温を一度測り、10℃を下回るなら断水に近い管理に切り替える
・12〜2月:夜は窓から離す。水をあげるなら、暖かい日の午前中に少しだけ
・3月下旬〜4月:暖かくなってきたら、少量の水から再開し、徐々に通常の量に戻す

枯らさないために避けたいこと

サンスベリアの失敗は、手をかけすぎることから起こる場合がほとんどです。

次のような世話は、良かれと思ってやりがちなので気をつけます。

ほかの鉢と同じ日にまとめて水をあげる
冬のあいだも、土が湿っているうちに水を足す
葉の付け根(株の中心)に水をためたままにする
冬や弱っているときに肥料を与える
株の大きさに比べて大きすぎる鉢に植える(土が乾かず過湿になる)

鉢の大きさは見落とされがちなポイントで、土の量が多いほど乾くまでの時間が長くなり、サンスベリアには不利になります。

植え替えるときも、根の量に対してひとまわり大きいくらいの鉢を選びます。

植え替えと株分け、肥料

サンスベリアは根の力が強く、鉢の中が根でいっぱいになると、プラスチックの鉢がふくらんだり割れたりすることもあります。

鉢から抜き出して根を見せたサンスベリアの株

鉢底から根が出てきたり、鉢が変形してきたりしたら、植え替えのサインです。

植え替えの適期は、気温が上がって成長が始まる5〜7月ごろで、2〜3年に1回が目安です。

土は、水はけのよいものを選び、観葉植物用の土に軽石や川砂を混ぜたり、多肉植物用の土を使ったりする方法がよく紹介されています。

植え替えのときに、地下茎でつながった子株を切り分けて別の鉢に植えれば、株分けで増やすこともできます。

植え替えた直後は、1週間ほど水をあげずに、根の傷が乾くのを待ってから水やりを始めます。

肥料は5〜9月に、使う製品のラベルの量より少なめで足ります。

成長のゆっくりした植物なので、伸びが止まる10月以降と、植え替え後に水を止めている1週間は与えません。

3月下旬、水やりは少量から再開する

断水に近い冬を越したサンスベリアは、葉が少し薄くなり、細かいしわが寄っていることがよくあります。

春の窓辺に置かれたサンスベリアの鉢と小さなじょうろ

ここでいきなり夏と同じ量をあげると、まだ動き出していない根が水を吸いきれず、春先に根元を傷める原因になります。

再開の目安は、3月下旬〜4月、朝の室温が15℃前後まで上がる日が続くようになったころです。

最初の1回は、暖かい日の午前中に、鉢の土の上のほうが湿る程度の少なめの量にとどめます。

1〜2週間たって葉のしわが戻り、付け根が硬いままなら、次からは底穴から水が出るまでの通常の量に戻していきます。

反対に、再開後に付け根がやわらかくなってきたら、水をいったん止めて土を乾かし直します。

株元の土から新しい葉の先や子株が顔を出したら、その年の生育期が始まった合図です。

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