ソファの背にかかる葉、通るたびに肩に触れる葉、窓の半分をふさいでいる葉。
モンステラは成長が早く、気づくと1枚の葉が50cmを超え、部屋の一角を占めるようになります。
大きくなりすぎたモンステラは、切って小さくしても大丈夫な植物です。
葉も、茎も、気根も、切る位置さえ間違えなければ、株が弱ることはあまりありません。
迷うのは「どこを切っていいのか」ですが、その答えは節(ふし)の位置を見つけると分かります。
しかも、切り取った茎は水に挿しておくだけで根が出て、もう一鉢のモンステラになります。
切る前に知っておきたい、モンステラの体のつくり
モンステラの茎は、木のように枝分かれする幹とは違い、地面の近くを這うように伸びながら葉を出していきます。
まずは、どこが茎でどこが葉の柄なのかを見分けておきます。
茎・節・葉柄・気根の見分け方
株元をのぞき込むと、太くて短い茎から、長い葉柄(ようへい)が何本も伸び、その先に葉がついています。

茎には、葉柄の付け根ごとに輪のような段差があり、これが節です。
新しい葉や芽、そして茶色いひものような気根は、この節から出てきます。
長い葉柄を「茎」だと思って切ると、その先の葉が1枚なくなるだけで、新しい芽は出てきません。
芽を出させたいなら、切るのは葉柄ではなく、節のある茎の部分です。
部位ごとの切り方の違い
切る場所によって、切ったあとに起こることが違います。
| 切る部位 | 切ってよいか | 切る位置 | 切ったあと |
|---|---|---|---|
| 黄ばんだ葉・破れた葉 | 切ってよい | 葉柄の付け根 | その葉がなくなるだけで、株への影響は小さい |
| 横に張り出した大きな葉 | 切ってよい | 葉柄の付け根 | 株が小さく見える。一度に切りすぎない |
| 気根 | 切ってよい | 付け根、または好きな長さ | 株の成長にはほとんど影響しない |
| 伸びすぎた茎 | 切ってよい | 節と節のあいだ | 残った茎の節から新しい芽が出る。切った茎は水挿しに使える |
気根は、自生地では木に張りついて体を支えたり、水分を取り込んだりする根です。
鉢植えでは見た目が気になるなら切ってしまって構いませんし、土に誘導して残しておくこともできます。
剪定に向く時期
モンステラの剪定は、新しい葉がどんどん出てくる5〜9月が向いています。
中でも、茎を切って株を小さくするような強い剪定は、7月ごろまでに済ませるのがよいとされています。
秋に強く切ると、新しい葉が数枚しか開かないうちに寒い時期に入り、冬のあいだ株が寂しい姿のままになるためです。
10月以降は、黄ばんだ葉や傷んだ葉を取る程度にとどめます。
黄色く枯れた葉を切る作業だけなら、冬でも行って問題ありません。
状況別の切り方
「大きくなりすぎた」と一口に言っても、横に広がって困っているのか、上に伸びて困っているのかで、切る場所は変わります。
黄ばんだ葉・破れた葉を取る
株元に近い古い葉が1枚ずつ黄色くなるのは、葉の入れ替わりでよくあることです。
黄色くなった葉は元の緑には戻らないので、葉柄の付け根で切り取ります。
葉柄を途中で切って残すと、残った部分が茶色く枯れ、見た目が悪くなります。
一度に何枚も黄色くなるときは、入れ替わりではなく、寒さや水のやりすぎを疑います。
横に広がりすぎた株を小さくする
床置きの大きな株が横に広がっている場合は、外側に大きく張り出した葉から順に、葉柄の付け根で間引きます。
内側の若い葉を残すと、株のまとまりがよく見えます。
一度に切る量は、葉の数の3分の1ほどまでを目安にします。
切りすぎると光を受ける葉が減り、次の葉が小さくなることがあります。
上に伸びすぎた茎を切り戻す
支柱の上まで伸びた茎や、斜めに倒れてきた茎は、茎そのものを切って背丈を下げます。

切る位置は、残したい高さの節と、その上の節のあいだです。
切ったあとは、下に残った茎の節から新しい芽が出てきます。
切り取った上の部分に、節が1つ以上と葉が1〜2枚ついていれば、そのまま水挿しに使えます。
節から気根が出ている部分を含めて切ると、根が出るのが早くなります。
葉を切る前に確かめたいこと
その葉は黄ばんでいる、破れている、または通路や家具に当たって邪魔になっています
切ったあとにも、元気な葉が株全体で数枚以上残ります
内側にまだ若い葉や新芽があります
切るのは葉柄の付け根で、茎の節を傷つけない位置です
4つに当てはまれば、その葉は切ってしまって問題ありません。
内側に若い葉がない株は、外側の葉を取ると株全体の葉が極端に減るので、新しい葉が開くまで待ちます。
切ったあとの親株は、節の芽を目印に待つ
茎を切り戻した親株では、切り口のすぐ下に残った節から新しい芽が出てきます。
節のあたりがふくらみ、芽の先がのぞいてくれば、株が動き出した合図です。
それまでは、直射日光の当たらない明るい場所に置き、場所を何度も変えずに待ちます。
葉が減ったぶん土の乾きは遅くなりますが、大きな鉢は指を差しても中まで分かりにくいものです。
持ち上げられる大きさなら、水やり直後の鉢の重さを一度覚えておくと、軽くなったかどうかで次の水の時期をつかめます。
切り口の汁に気をつける
モンステラの茎や葉柄を切ると、透明に近い汁がにじみ出ます。
この汁が肌につくと、かゆみやかぶれが出ることがあるので、作業のときは手袋をつけ、汁がついた手で目や口を触らないようにします。
モンステラはペットへの注意が挙げられることのある植物なので、切った葉や茎はすぐに片づけ、犬や猫がかじらないようにします。
口にした様子があるときや、肌の赤みが引かないときは、自己判断せず動物病院や医療機関に相談してください。
切った茎を水挿しで増やす
節のついた茎は、水に挿しておくだけで根を出します。

土に挿すより根が伸びていく様子を目で確かめやすく、初めて増やすときにも向いています。
切り戻しで取った茎のうち、節が1〜2つと葉が1〜2枚ついた部分を使います。
節から気根が出ていれば、その気根も残しておきます。
葉が大きい場合は、そのままでも構いませんが、容器が倒れるようなら葉を1枚に減らします。
葉が少ないほど、根が出るまでの水分の抜けも少なくなります。
瓶やグラスに水を入れ、節が水に浸かり、葉は水に浸からない深さに挿します。
気根がある場合は、気根ごと水に入れます。
直射日光の当たらない明るい場所に置きます。
水は濁る前に数日おきに入れ替え、気温の高い時期はこまめに替えます。
節から白い根が出て、5〜10cmほどに伸びたら、観葉植物用の土に植え付けます。
それまでは、根が育つのを水の中で待ちます。
根が出るまでの目安
暖かい時期なら、2〜4週間ほどで節のあたりから白い根の先が見えてくることが多いです。
気温が低い時期は根が出るまで時間がかかり、途中で茎が傷むこともあるので、水挿しも剪定と同じく暖かい季節に行います。
茎の切り口がぬるっとしたり、茶色くやわらかくなったりしたら、その部分を切り落として新しい水に替えます。
水から土に移すときの注意
水の中で伸びた根は、土に移した直後は水を吸うのに慣れていません。

植え付けてから1〜2週間ほどは、土の表面がからからに乾かないよう、いつもより少しこまめに様子を見ます。
新しい葉が1枚開けば、土に根づいた合図と考えてよいでしょう。
葉のない茎は、寝かせて芽を出させる
切り戻しで、葉がついていない茎の部分が余ることがあります。
この茎も、節が残っていれば増やすのに使えます。
節を1〜2つずつ含むように茎を切り分け、湿らせた水苔や土の上に、節が上を向くように横に寝かせます。
半分ほど埋めて明るい日陰に置き、乾ききらないよう霧吹きで湿り気を保つと、節から根と芽が出てくることがあります。
この方法は茎伏せと呼ばれ、葉つきの茎で行う水挿しより時間がかかるため、1〜2か月は待つつもりで始めます。
モンステラの日当たりや気根・支柱の扱いは、モンステラの育て方で品種の違いも含めてまとめています。
横に広がる株は、支柱で縦にまとめる
剪定でひとまわり小さくしても、モンステラは暖かい季節になればまた大きな葉を出してきます。

毎年切って追いかけるより、横へ倒れてくる茎を支柱に沿わせて上へ向けるほうが、床の上で占める面積を小さく保てます。
茎を立てると葉の向きもそろい、通路やソファの側へ張り出す葉が減ります。
切る前に、支柱へ寄せられないか試します。
通路側へ倒れてきた茎は、切らずに支柱へ寄せるだけで片づくことがあります。
支柱の太さや立て方、気根の留め方は、モンステラの育て方の支柱の項目で確かめられます。
鉢の大きさも葉の大きさに響くので、次の植え替えで号数をむやみに上げないことも、小さく保つための手のひとつです。
支柱、剪定、鉢の号数のうち、株への負担がいちばん小さいのは支柱なので、まず支柱で立ててみて、それでも収まらない分だけを切ると、切る量を減らせます。

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